どこを攻めるか

変化のあるところを攻める

これも独断と偏見がかなり入っている。
しかし一言で決着させるとすればとにかく「変化のあるところ」を攻める、ということだ。

見える変化
障害物の際」や、「流れの変化のある箇所」、「光と影の境目」、等の目に見える変化のある箇所を攻めよう。

障害物の際」であれば、停泊船の下、護岸や護岸のえぐれ(※テクトロの項参照)、杭、バース、テトラ等でその近くにルアーを通せばいい。
これらの障害物からちょっと離れた所にキャストして、ルアーが自然に障害物の際を通過するように操作する。
流れの変化がある場所」は、潮目、排水口、流れ出し、流れの合流場所、流心際、流れのたるむ場所、流れが当たる部分等である。
水面をよく観察してそれらを見つけだし攻めるといい。
基本はそれらの変化部分に直接ルアーをキャストするのではなく、その近くにキャストして自然にルアーがその変化部分を通過するようにする、ということだ。
光と影の境目」は、停泊船の明かり、港湾部の常夜灯、橋の常夜灯などの明かりの境目である。
境目の暗い方にシーバスがいることを意識してルアーを操作する。
境目の真上を境目に平行にルアーを引いたり、境目の明るい方を境目と平行に引いたり、あるいは暗い方を平行に引いたりする。
また、明るい方から暗い方に引いたり、その逆に引いたりする。
その際にもルアーをFミノー/Sミノー/VIBとチェンジして縦のレンジ攻略を忘れないようにすれば効果的だ。
ストップ&ゴーを交えるとなおいい。

ここまでは目に見える変化なので、とにかく何とか可能だと思う。
次は目に見えない、あるいは簡単には見えない変化のあるところだ。

見えない変化

かけあがり
ひとつは「
かけあがり」である。
これは底の深さが急に変化している部分である。
港湾部の船路のために浚渫された場所や、河川や運河の同様な場所、サーフのブレイクライン等である。
これが壁のような役目を果たし、シーバスはこれに沿って回遊したり身を潜めたりしている。
このかけあがりをかすめるようにルアーを通してあげるわけだ。

かけあがりの位置確認は最初はむずかしいと思う。
わたしはVIB等でカウントダウンして一定の層をトレースすることを繰り返してルアーが底に当たる具合から大体の駆け上がり位置を確認している。
最初のうちはこれは難しいと思うので、釣行ポイントに関するガイド資料があればそこから情報が得られることもあるし、ベテラン餌釣り氏やベテランルアーマンが現場にいれば、ちょっと声をかけて会話を楽しむなどして情報を得ることが出来るかも知れない。
他にも水深のそんなにない場所であればウェーディングして確かめる手もあるが、これは危険なので基本的にお勧めできない。

沈み根
さてもう一つの見えない変化部分は「
沈み根」である。
水面より下に隠れている様々な障害物である。
岩や岩礁、大きな石ころ、テトラ、沈んだ廃船など、何かしらの建造物の跡(取り壊された橋やバースの基礎部分)、不法投棄された大きめの物体(冷蔵庫、洗濯機など)など、通常では直接観察できないが、水面下では立派な変化物として存在しているものがある。
シーバスはこういったものに好んで着く。
これら水面下の障害物付近にルアーを通してあげるわけだ。
これらもまずはその障害物の場所を確認できなければ話にならない。
一番お勧めなのは、昼間のうちにポイントを観察することだ。
明るいうちだと障害物がはっきり見えたり、あるいは水色の変化等でそれらしく確認できることが多い。
あるいは前述したように、VIB等で確認することもできる。
しかしこれは、大体の場所が分かっている場合に有効なので、闇雲に沈み根を探索するのは非効率的である。
沈み根を探索する目的ではなく、普通に底を引いてシーバッシングを行い、その際についでに底の情報も取り入れられれば一番よい。
駆け上がりの時に述べたように、ベテラン諸氏と仲良くなり、情報を聞き出すのもひとつの手だろう。
沈み根を把握できると、これにわざとルアーをぶつけてイレギュラーアクションを生じさせ、シーバスのバイトを誘う、なんて芸当も出来るようになる。(これ、非常に有効な手なんだよねぇ)

このような目に見えない障害物を意識できるようになると、釣果に雲泥の差が生じることがある。
2人の人が10m間隔で並び同じ岸壁から沖に向かって同じようにキャストしているのだが、一方はヒットの連続、片方はかすりもしない、なんてことがあるのだ。
実は同じように単に沖目に向かってキャストしているように見えるのだが、成果のある方は、沈み根や駆け上がりを把握してそれを意識したキャストやルアー選択、ルアーコントロールをしているのだ。

少しでも確率の高い釣行にするために常に変化を意識しよう。


ベイトが存在するところ(?)

ベイトが確認できれば、まずは攻めるべきだろう。
ただし、ベイトを確認できないとしても前述した「変化のある場所」であれば攻めるべきだ。
なので、「変化があるか」、「ベイトがいるか」のどちらかを満たしていれば、そこは有力な場所だ。
もちろんどちらも満たしていればなお言うことはない。

しかし、よく「ベイトの有無を確認する」というが意外と難しいものだ。
照明(月明かりも含む)がある程度当たる場所でベイトが表面に群れていたり、あるいは照明は当たらなくてもバシャバシャと跳ねていたりすれば、そりゃ確認できるだろうけど、照明がほとんど当たらない場所でベイトが存在していても跳ねたりしなかったらほとんど確認できない。
それに、ベイトは表層にだけ存在するのではない。ハゼなどの底付近にいる魚がベイトだったら、どうやってその有無を確認するのだろうか?
従ってわたしは、「ベイトの有無の確認」は大きな要素ではあるが、「変化のある場所を攻める」ほどには重要視していない。
それに、シーバスはベイトが全然いないとしても、ベイトが来るのを待ってストラクチャーに身を潜めている場合もあることが考えられる。あるいは逆にこのような場合の方が、確実にヒットするように思えるのだがいかがだろうか。