初めに

ルアーはジグとバイブレーションがメインです。
ジグはベイトタックルで、バイブレーションはスピニングタックルで主に使用。
「船」なので基本的に魚が「いる」ところで釣りをすることになります。
最近はどの船宿も、GPSやソナーなどを装備しています。
ですから初心者でもかなりの確率で魚をゲット可能なわけなのです。(と思います・・アハハ)
ただし、ベテランとの差がつく場面は多いかも知れません。

その理由は次のとおりです。
釣りの状況は魚の活性によって大まかに以下の3パターンに分けられます。
例えば午前船で10名のアングラーが乗船したとします。その時の魚の連れ具合が、、、

(1)トップが3本以下くらいの時
これは魚の活性が低く、まぐれ(出会い頭)ヒットの場合で、初心者とベテランの差が付きにくい状況といえます。
初心者が3本でベテランが0〜1本の時もあるし、もちろんその逆の時もあります。

(2)トップが10数本から20数本の時
ある程度魚の活性があり、テクニカルな釣りを楽しめる状況です。
この場合初心者でもそこそこ釣れるとは思いますが、数はそんなに出ません。
しかしこのような状況でもベテランはきっちり仕事をすします。
そういうわけでベテランと初心者の差が付きやすく、初心者が0でベテランが20数本とかいう極端な結果になる場合もあります。
しかしその逆のパターンはまず無いといえるでしょう。

3)トップが40から60本くらいの時
これはほとんど入れ食い状態。
もちろん初心者とベテランとで差は付きますが、いわゆる手返しの差みたいなもんでテクニカルな差を感じさせるものではありません。
いわゆる技術を駆使する場面はほとんど無いような状況です。

(2)のパターンが釣りの技術も向上するし釣ってて一番楽しいはずです。(わたしの偏見かもしれませんが^^)
それなりの技術を駆使するとそれに相応した結果が帰ってくるからです。
魚が食ったっていうより、食わせたって感じることが出来るのです。
どういった工夫をしたかで成果が出るのを感じることが出来て、色々試めすことが出来、楽しい釣りだと言えるでしょう。
(1)のパターンでは何をやっても釣れない場合があり、これは一番疲れる状況です。
釣れたとしても技術で釣ったのか、出会い頭なのか、さっぱり分からない時があります。
ですから自分が駆使している技術に確固たる自信が持てません。
(3)のパターンはおそらく誰でも楽しいでしょう。まぁ楽しいことは楽しいでしょうが、うーん、どうなんでしょ(長嶋風・・)。。
まぁ、あまり釣れないより絶対いいとは思いますが、本当の楽しさを得にくいんじゃないかなぁ。。。うん・・。
わたしはそう思います。


装備

釣果を左右するのは、まずタックル
どういう道具を使用するかということです。
この釣りはジグの落とし込みによるバーチカルな釣りパターンが非常に多いのでベイトタックルは必須です。
もちろん、ベイトリールにベイトロッドの組み合わせのことです。
通常このベイトタックルとスピニングタックルをそれぞれ1セットずつ持ち込むケースが多くなるはずです。
でもわたしの経験上ベイトタックルだけでもまずは十分だと思います。
バーチカル(落とし込み中心)の場合、スピニングだけの人と比べると、倍以上の釣果差がついてしまうケースがあります。
場合によっては3倍や4倍の差だって付いちゃったりします。
なぜでしょう?
シーバスは上から落ちてくるジグに反応し、それがヒットにつながるケースが非常に多いのです。
しかしこの落とし込み中の当たりをスピニングタックルで捕らえるのは非常に難しいのです。
その点、ベイトタックルでは落とし込み中の糸ふけや違和感を確実にキャッチして、ヒットに持ち込むことが可能です。
ベイトタックルでは落とし込みを意識したロッド&リール操作が非常に楽だ、という点もあるます。
ベイトタックルでは常にジグの重みをラインに感じながらのロッド&リール操作になるため、その重みの変化(糸ふけや、小さな当たり)をキャッチしやすいのですが、スピニングタックルとなると、それがかなり難しいのです。(不可能ではありません)
スピニングタックルでは基本的に巻き上げ途中のヒットを拾ってゆくことになるため、シーバスがこの手の動きに反応が鈍い場合、釣果は極端に落ちてしまいます。
巻き上げ途中で落とし込みを行う操作が非常に有効なときが多いのですが、スピニングタックルではこれがかなり難しいので釣果が落ちてしまいます。
しかしベイトタックルでは、巻き上げ途中で何度かクラッチを切ってジグを落とし込み、そのジグにヒットさせるという技を駆使できるので圧倒的に有利だといえるでしょう。
そういうわけで、まずはベイトタックルが必須であり、もちろんスピニングも揃えられるのであれば、そのほうがいいことは間違いありませんが、タックルをまず1セットと言う場合は、当然それはベイトタックルにすべきですね。

以下はベイトタックルを想定しての話です。
・ロッド
6〜7ft前後のベイトロッド
絶対に柔らかいもの。がしかし、バットはしっかりしたもの。
グリップが長く脇ではさめるタイプ。
・リール
小型のベイトリール。絶対に軽いものにして下さい(店員に聞いてください)。重いと後で必ず後悔します。
PE1号が200m巻ければ問題ないでしょう。
最近は海用でも軽くて性能のよいいいリールが増えました。(もちろん耐塩です)
・ラインと結束
そのベイトタックルにセットするメインラインはPE1号以下をセットします。
本当は0.6号が感度が抜群で最高とは思うのですが、ある程度場数をこなしてからの方がいいと感じます。
また、ちょっとした傷で切れてしまうので、初心者のころはライントラブルなどでラインに傷をつける場面が多いはずですから、やはり1号程度の細さに止めたほうが無難です。
それをリールに200m巻きます。
実際は東京湾では深くても30mラインなので100mで十分とは思いますが、同じタックルで時々タチウオを攻める場合もあるため、これが60−80m位の場合(時には120mなんて電動リールが欲しくなる水深になること(-_-;)もあるので200mは必要でしょう。
そのPEラインの先にリーダーを結束します。
リーダーはフロロカーボンラインの20〜25号程度。
PEラインの先端をビニツイストでダブルラインにして、そのダブルラインを撚って仮止めし、リーダーとユニノット結束します。
あるいは、正海ノットでもいいでしょう。
東京湾の釣りに関してはこの方法で必要十分だと思います。
リーダーとの結束にオルブライトノットが勧められていることがありますが、あれは十分に慣れないとすっぽ抜けることが多く、わたしはお勧めしません。
それほど強度が出ているようにも感じませんし。デメリットのほうが多すぎます。
たとえばラインが出てゆく側に結束時のこぶ(リーダーのライン端)が出るので、ガイドとの接触も大きいためライントラブル多発です。
さて、結束したリーダーのジグ装着側にスナップを繋げます。
これはジグの交換を楽にするためです。
人によってはスナップはジグやルアーの動きを悪くするという方もおられますが、そこまでのシビアさをわたしは感じません。
それよりも効率性を優先します。
交換の度に結束し直していたのでは時間も無駄ですし、ラインも短くなるので、やはりスナップをお勧めいたします。
・ジグ
ジグは60g前後のもの。これで決まりです。
色は日によって当たり色が変わるので何色か用意した方がいいと思います。
それも同じタイプのジグで複数の色を用意する悩まずに済みます。
つまり、形状が一緒であれば色が影響しているのか形状が影響しているのか迷わなくて済みます。
結構現場では、この手の悩み地獄に陥って自分を見失うケースが多いのです(自分もそうでした(-_-;))
さてそのジグの種類は好みなんですが、用意していて絶対損はないと思っているのが、マリアオフィスさんの、「ラフェスタ」です。
これの56gで、ピンク、ブルー、赤金の3色を用意しておけば、東京湾シーバスジギングではまず間違いないでしょう。
根掛かりでロストするケースを考慮して、これを2セット用意しておきましょう。
その他のジグはお好みで。。。。
(同じマリア社の製品で「シーフラワー」もコストパフォーマンスがいいと思います)
恐らくほとんどのジグに標準でトリプルフックが付いているはずですが、実はこれはばれやすいので、シングルフックをケプラーで結束したもの2本と交換してください。
自分で作成してもいいですし、市販もされているのでそれを使用するのもいいでしょう。
青物用はそれをフロントアイ(頭側)に取り付けますが、シーバスの場合テールアイ(尻尾側)に取り付けます。(根掛かりは増えるが)

釣方
落とし込み主体となります。
とにかくその落とし込み中絶対に気を抜かないことです。
サミング(ルアーをキャストする際にリールから出ていくラインやスプールに指でブレーキをかけることによって、ルアーの飛距離をコントロールしたり、スプールの回転をおさえること)はしっかりと。

巻き上げは早すぎず、ゆっくりとリズムカルに。
とにかく巻き上げ中のヒットは明快です。当然です。
巻き上げ中のジグを反転して食うのですから、それなりのショックが伝わります。
ガツンとかゴンとかはっきりとした当たりを感じるので、魚の重みがロッドに乗ったら、1度はっきりとした合わせ(ロッド1度大きく立ててしゃくる)を入れます。
(入れない方がいいという人もいますが、経験上入れた方がバレが少ないように感じます。)
そして後はゆっくり巻いてくるだけです。
落とし込み中の当たりは糸ふけであったり、コツンっと言った小さな当たりだったりします。
それを察知したら、間髪入れずにまずはハンドルを回しながら(糸ふけを取りながら)合わせを入れます。
重みがロッドに乗ったら同じようにもう一度合わせを入れます。
そしてゆっくり巻き上げに入ります。
取込は船長や周りの人にお願いしてタモ入れして貰いましょう。
バレを防ぐ意味もありますが、そのバレた際にジグが勢いよく飛んできて非常に危険です。
ですから、抜きあげずタモですくうのが基本です。
そしてその際、魚をあまり引きすぎないようにしましょう。
えら洗い一発でばれてしまいます。
水面をゆっくり漂わせるようにロッド操作してください。
タモ入れが成功したらリールのクラッチを切り、ラインを一端フリーにしてロッドを自由にしてあげると後の作業が楽になります。
その後ロッドは必ずロッド立てに入れておくこと。足元に転がして置いたりすると、踏んづけてえらい目にあいますよ^^;
(実はわたくし2本踏んづけて折っております(涙)
なので、取込最後はクラッチを切ってロッドを自由にしてロッド立てに立てる。これを厳守です。

さてさて、最初にも説明したとおり、魚の活性がある程度以上ある場合には落とし込みでのヒットがかなり多くなります。
つまり、落とし込みで食わせなければ数が出ないということです。
それは、投入直後の海底までジグが沈んでゆく場合や、その後の巻き上げの際に途中途中でクラッチを切って落し込みを演出してやる場合などが該当します。
ジグが落ちて行くときに、そのジグに魚が食らいつく様をイメージしながら操作を行ってやるのです。
いわば食わせるわけです。
魚に「それっ、食って見ろ、それっ、どうだ?うまそうだろう?そーれ」ってな感じでジグを操作してやるわけなのです。
巻き上げで魚を誘っておいて、クラッチを切りジグを落とした瞬間(あるいはストップアクション)に「食わせる」てしまうのです。
これが出来ると出来ないとで釣果にかなりの差が出るますよぉ。

ジグの交換も機敏に行うと結果がよい場合があります。
周りが釣れているのに自分が釣れない場合、ジグの色に魚がシビアに反応している場合があります。
釣れている人のジグ色を観察し、同じ色に、近い色に、変更してみる価値は十分にあります。
あるいは釣れない場合、自分から積極的にいろいろな色を試して当たり色を探るのもいいでしょう。

魚が釣れない場合に、船下だけでなくジグをキャストして広範囲に探ると良い結果に繋がるケースがあります。
ジグを遠投し、海底まで落としてから何度かシャクっては海底に落とす、キャストしたジグが船下に戻るまで繰り返します。
そのときの注意ですが、ジグをキャストする場合は絶対にアンダーハンドで。
オーバーハンド(頭上に振りかぶる)と近くの人に引っかかり危険です。
またキャストの際には着水時に確実なサミングをしないと、バックラッシュ(ベイトリールの仕組み上スプールの回転がラインの出を上回り、ラインが出すぎてぐちゃぐちゃに・・・)で悲惨な目に遭いますよ。。。

潮の流れが速く大人数で乗船していると、ラインが流されてお祭り(互いのラインが絡み合う)の危険が増大します。
これを出来るだけ少なくするためにも、サミングでジグを真下近くに落ちるよう調整したり(サミングするとラインがより垂直近くに落ちるようになります)、キャストしたりする必要があります。

このような努力も釣果と関係するのです。
実はラインが細ければ細いほど、潮の抵抗が弱まり、より垂直にジグは落ちてゆくのですが、この細いPEライン、お祭りなどでジグのフックに当たったりすると、非常に切れやすくなり、貴重なラインとジグを失うという痛い目に遭う危険があるります。
ラインは細すぎても扱いづらいですし、太すぎると潮の影響を受けやすく、感度も悪くなるので、これもまた扱いづらいです。
ですから間を取って1号くらいをお勧めいたします。
いずれにしてもお祭りは極力避けるように注意深くありたいですね。