ライントラブル


糸ふけ、糸がらみ
ルアーをキャストした際に、糸ふけ等が発生してラインがぐちゃぐちゃになって出ていったり、結び目ができてしまったりする事がある。
ナイロンラインだと軽度の場合であれば、割と簡単に解く事もできるし、その後の使用も大丈夫だろう。
ただ、きつめの絡み具合だと解いた後にラインが撚れていたり、傷ついていたりして強度が落ちている場合がある。
この場合は、「必ず」撚れた部分を切り捨てて使用した方がいいだろう。
下手に手間を渋ってそのまま使用すると必ず痛い思いをする。「ああ、あの時ラインをセットし直しておけば良かった...」
どんなにいいロッド、リール、ルアーを使用していても、ラインが切れればそれまで...
ライントラブルに見舞われた際は、思い切った行動を取るのが後々ためになると、肝に銘じよう。

さて、ライントラブルにならないための策だが、まずは正確な美しいキャストが基本となる。
そして、糸がふけた(緩んだ)状態でリーリングしないことだ。必ず何らかの方法でラインとテンションを取った状態にしてリールを巻く。
キャスト後ラインがふけたなら、テンションを感じるまでロッドを後ろにあおってからリーリングするか、それでもふけが取れない場合には、少し下がるか、あるいは手でラインを掴んでテンションを掛けた状態にしてからふけが取れるまでそのままリールを巻き、ふけが取れてから通常通りのリーリングに移行するとかする。
とにかく、ふけた状態でリールを巻かない事だ。

糸ふけ自体をなくす方法としてはサミングが一番だろう。これを癖にするようにしよう。
キャスティングの一連の動作の一つにサミングを必ず加えるようにするのだ。

それから、ラインをあまり多めに巻かない事だ。ナイロンなら8から9分程度、PEなら6から7分程度だ。

そしてラインスプレー等も非常に効果があるので釣行ごとの使用をお勧めする。

PEラインなんかでトラブルが多発するのはスローリトリーブを多用する場合などだ。巻き初めの最初に問題となる要素をスプールに仕込んでしまう場合が多い。(よれた状態で巻き込まれる)
わたしの場合、PEラインの時はサミングをして着水させるとベールを返した後に、1、2回鋭くロッドをあおる。シーバスがヒットしたとき合わせる動作とほぼ同じだ。
こうすることでスプール上のラインに思いっきりテンションをかけて引き締めた状態にするわけだ。
それから、やおら通常のその場に応じたリーリング動作に入る。こうするだけでライントラブルが激減するので試して欲しい。

ライン切れ(ラインブレイク)
これはかなり悲しいトラブルである。
シーバストのファイト中にラインが切れたり、あるいはキャストのときにラインが切れたりするトラブルの事だ。
シーバスをゲットできないばかりか、大切なルアーを失う事になる。しばし呆然とすることもあろう。

・合わせ切れ
わたしの経験ではほとんどがリーダーとメインとの結束部強度落ちによるもの。
結束時にすでに強度落ちしてしまったものや、使用経過で強度落ちしてしまったものだ。
合わせを入れた際の瞬間的な負荷に耐え切れず、そこから切れてしまう。
基本的に結束作業時に強度落ちを防ぐよう慎重に作業する事が大切だ。
特にナイロンラインであれば経時的な劣化を考慮したライン交換を早めに行うことだ。
さらにナイロンメインであれば釣行ごとにリーダをセットし直す位のことをやった方がいいだろう。(結束部強度確保のためだが、弱るのはナイロンメインラインの方)
ちなみにメインラインにPE、リーダーにフロロカーボンであれば、経時的な劣化はほとんど気にすることはない。非常に長持ちする。ラインの傷を調べて大丈夫であればかなりの間使用に耐える。
しかしナイロンラインだと材質自体の劣化が早く、傷等無くても強度がかなり落ちてしまう。
ラインを含めたタックルの保管状況にもよるが、例えば車の中にいつもタックルをセットしておいているような場合だと、ラインの劣化は異常に早い。なるべく車の中にタックルは放置しないことだ。
それでもナイロンラインは10釣行毎までには全部取り替えた方がいいだろう。

それからルアーとラインの結束部でも切れてしまうことがある。
この部分はキャストの度に色んな角度で力を受け疲労しているはずだ。
特に10cm以上のルアーを多用する場合には特に疲労すると思われる。
なのでこの部分は強度があり耐久力のあるラインを使用したい。
だからわたしは、障害物やシーバスの歯によるラインブレイクを考慮してのリーダー装着という意味以外にこの理由でも、丈夫なリーダーを装着すべきだと考えている。20LBのフロロカーボンであれば十分だろう。

・ファイト中の切れ
ほとんどの場合が障害物にラインが接触して切れるもの。特に護岸のえぐれ等にこすれるとあっ気なく切れてしまう。
基本的に障害物の存在を意識してロッド操作を行う事により、ラインが障害物に触れないようにする。
特に港湾の岸壁部では、シーバスに護岸のえぐれに潜り込まれないように細心の注意を払いたい。本当にあっけなくラインブレイクする。
一人で釣行している場合、タモ入れ等の準備はシーバスが完全に浮き上がって腹を見せ抵抗しなくなってからにしたい。
シーバスはヒット後、意外ににすんなり寄ってくる場合があるのですぐに安心するかも知れないが、実は十分に寄った後に突っ込み等の激しい抵抗をする場合が多いのだ。
タモ入れ等の動作でロッドアクションに注意が届かず、テンションが緩んだり、ロッドの角度が変化したりした隙に、シーバスにえぐれに突っ込まれて、終わり...なんて事にならないように、タモ入れはシーバスを完全に浮かせてからを鉄則にしたい。
ただし、これはあくまでも一人でやる場合であって、誰か補助をする人がいれば、シーバスが元気な内にタモ入れも可能である。
ロッド操作に神経を集中できるからだ。

・キャスト時切れ
キャストしたときに、ルアーだけがおもいっきし飛んでいった経験はないだろうか?
この原因はほとんど「合わせ切れ」の項目で述べた原因と一緒だ。
つまり
リーダー結束部の劣化
ライン自体の劣化
ラインとルアー結束部の劣化

である。
なので対応策も「合わせ切れ」の項目で述べた方法とほぼ同じだ。
ただし、切れたラインを見ると実は切れたのではなく、「ほどけた」ためである場合が多い。
理由は簡単。ラインとルアー(あるいはスイペル)との結束方法が不十分だったのだ。
ほとんどの場合クリンチノットで結束すると思うが、よりの入れ方が足りなかったり、逆に多すぎてしまうときっちり結束しない場合がある。
それから、中途半端に締め込んでしまっている可能性もある。
締め込む際にはラインを唾でしめらせてから、しっかりと、そして、きれいに締め込みたい。
よりの回数も、ラインが細い場合(ナイロン)は多少多めに、ラインが太くて固い場合(フロロ)には多少少な目によりを入れる。